[文章内容]
永い間の情交にはそれほど深いなにものかがある!情交はいつのまにかわれわれの存在のそれほど密接な一部となる。われわれは遠くからだと平然として情交を断つ覚悟を決め、その覚悟を実行に移す時期の到来を待ち焦れていると思いこんでいるが、いざとなればおじけづいてしまい、そうして実にわれわれの心というものは哀れにも奇妙なもので、そばにいて不愉快だった人とでも、別れとなればおぞましくも胸の張り裂ける思いがするのである。
[作者]
コンスタン
[参照図書]
愛して生きる言葉（芸術生活社）