ビュー

ビュー(View)はMVCの V です。ビューはリクエストに対する出力を生成する役割を担います。 ここで言う出力とは、大抵の場合、HTMLフォームやXML、JSONなどを意味しますがファイルストリームの生成やユーザがダウンロード可能なPDFの生成もビューレイヤーの役割となります。

CakePHPでは下記の典型的な描画シナリオに対応するためのいくつかの組込みビュークラスを用意しています。:

  • XMLやJSONウェブサービスを作成する場合、JSONとXMLビュー を利用できます。
  • 保護されたファイルや動的に生成されたファイルを提供する場合、メディアビュー を利用できます。
  • 複数テーマのビューを作成する場合、テーマ を利用できます。

ビューテンプレート

CakePHPのビューレイヤーはユーザとの対話の手段です。ほとんどの場合、ビューは(X)HTMLドキュメントをブラウザーに返します。 しかし、ときにはFlashオブジェクトへAMFデータを提供したり、SOAPを介してリモートアプリケーションに返答したり、CSVファイルを出力する必要があるかもしれません。

デフォルトでは、CakePHPのビューファイルはプレーンなPHPで書かれ、その拡張子は.ctp (CakePHP Template)です。 ビューファイルにはコントローラーから受け取ったデータの取得に必要なロジックが書かれています。 もしTwigやSmartyのようなテンプレート言語を使たいのであれば、ビューのサブクラスがテンプレート言語とCakePHPの橋渡しをしてくれるでしょう。

ビューファイルは、/app/View/ にあるコントローラ名のフォルダに、関連するアクション名で保存されます。 例えば、Productsコントローラの”view()”アクションのビューファイルは通常、/app/View/Products/view.ctp となります。

CakePHPのビューレイヤーはいくつかの異なるパーツによって作り上げられています。各パーツはそれぞれ役割を持っており、この章で説明していきます。:

  • ビュー: ビューは実行中のアクション固有のページの一部分です。アプリケーションの応答の中心となります。
  • エレメント: 再利用可能なちょっとしたコードです。エレメントは通常、ビューの中で描画されます。
  • レイアウト: アプリケーションの多くのインターフェイスをラップしている表示コードを含むビューファイルです。ほとんどのビューはレイアウトの中に描画されます。
  • ヘルパー: これらのクラスはビューレイヤーの様々な場所で必要とされるロジックをカプセル化します。 とりわけ、CakePHPのヘルパーはフォームの構築やAJAX機能の構築、モデルデータのページ切替、RSSフィードの提供などの手助けをしてくれます。

ビューの継承

バージョン 2.1 で追加.

ビューの継承によってあるビューを他のビューでラップすることができるようになります。 ビューブロック と組み合わせることでビューを DRY に保つための強力な方法が得られます。 例えば、あなたが作成しているアプリケーションの特定のビューで、サイドバーの描画を変える必要があるとします。 この場合、共通のビューファイルを継承することでサイドバーのマークアップの繰り返しを避けられます。これは次のような変更を加えるだけで実現できます。:

// app/View/Common/view.ctp
<h1><?php echo $this->fetch('title'); ?></h1>
<?php echo $this->fetch('content'); ?>

<div class="actions">
    <h3>Related actions</h3>
    <ul>
    <?php echo $this->fetch('sidebar'); ?>
    </ul>
</div>

このビューファイルが親ビューとして使われたとします。すると、sidebartitle ブロックが定義されているビューが継承されていることが期待されます。 content ブロックはCakePHPが作る特別なブロックで、ビューの継承で捕捉されなかったすべてのコンテンツが含まれます。 ビューファイルにpostデータが格納されている $posts という変数がある場合、ビューは次のようになります。:

<?php
// app/View/Posts/view.ctp
$this->extend('/Common/view');

$this->assign('title', $post);

$this->start('sidebar');
?>
<li>
<?php
echo $this->Html->link('edit', array(
    'action' => 'edit',
    $post['Post']['id']
)); ?>
</li>
<?php $this->end(); ?>

// 残りのコンテンツは親ビューの'content'ブロックとして利用できます。
<?php echo h($post['Post']['body']);

上記の例はどのようにビューを継承できるかを示しており、ブロック一式を生成しています。 いくつかの未定義ブロックは捕捉され、content という特別な名前のブロックに配置されます。 ビューに extend() の呼び出しが含まれるとき、現在のビューファイルは最後まで実行されます。 一度実行が完了すると、継承されたビューが描画されます。一つのビューファイルで二回以上 extend() が呼び出される場合、次に処理される親ビューを上書きします。:

$this->extend('/Common/view');
$this->extend('/Common/index');

この例では /Common/index.ctp を親ビューとした描画結果が得られます。

継承されたビューは好きなだけ入れ子にすることができます。極端な話、すべてのビューで他のビューを継承することさえできます。 その場合、各親ビューは一つ前のビューのコンテンツを content ブロックとして取得できます。

ノート

content をブロック名として使うことは避けるべきです。CakePHPは継承されたビューの中で捕捉されていないコンテンツとして扱ってしまいます。

ビューブロックを使う

バージョン 2.1 で追加.

ビューブロックは $scripts_for_layout に代わって、ビュー/レイアウトの中であればどこででもスロットやブロックを定義できる拡張可能なAPIを提供します。 例えばサイドバーや、レイアウトの末尾や先頭にアセット読込領域の実装なとがブロックの典型的な使用例です。ブロックを実装するには二つの方法があります。捕捉されるブロックとするか、直接割り当てるかです。start(), append(), end() メソッドは捕捉されるブロックと共に動作します。:

// sidebarブロックを作成する
$this->start('sidebar');
echo $this->element('sidebar/recent_topics');
echo $this->element('sidebar/recent_comments');
$this->end();


// sidebarの末尾に追加する
$this->append('sidebar');
echo $this->element('sidebar/popular_topics');
$this->end();

start() を複数回使ってブロックを追加できます。 assign() はクリアしたり任意のタイミングでブロックを上書きするために使われます。:

// sidebarブロックから以前のコンテンツを消去する
$this->assign('sidebar', '');

2.3 で、いくつかのメソッドがブロック機構に追加されました。 prepend() は、既存のブロックの先頭に内容を追加します。:

// sidebarの先頭に追加する
$this->prepend('sidebar', 'this content goes on top of sidebar');

startIfEmpty() はブロックが空もしくは未定義の場合 だけ ブロックを開始したいときに使用します。 ブロックがすでに存在する場合は捕捉されたコンテンツは廃棄されます。 ブロックの内容が存在しないときのためにデフォルトの内容を用意しておきたい、なんて場合に使うと便利です。:

// ビューファイル
// navbarブロックを作成
$this->startIfEmpty('navbar');
echo $this->element('navbar');
echo $this->element('notifications');
$this->end();
// 親のview/layout
<?php $this->startIfEmpty('navbar'); ?>
<p>ブロックがこの時点で定義されていない場合、代わりにこの内容を表示する</p>
<?php $this->end(); ?>

// 親のview/layout内のどこか別の場所
echo $this->fetch('navbar');

上記の例では、 navbar ブロックには最初のセクションで追加された内容のみが格納されます。 このブロックは子ビューで定義されているので、デフォルトの内容は <p> タグとともに破棄されます。

ノート

content という名前のブロックの使用は避けるべきです。この名前はCakePHP内部でビューの継承、レイアウト内のビューコンテンツのために使わています。

ブロックの表示

バージョン 2.1 で追加.

ブロックの表示には、fetch() メソッドを使います。 fetch() はブロックが存在しなかった場合、’‘を返すのでブロックが安全に出力されます。:

echo $this->fetch('sidebar');

fetchを使うとブロックが存在するかどうかによってブロックに囲まれたコンテンツの表示を切り替えることができます。:

// in app/View/Layouts/default.ctp
<?php if ($this->fetch('menu')): ?>
<div class="menu">
    <h3>Menu options</h3>
    <?php echo $this->fetch('menu'); ?>
</div>
<?php endif; ?>

2.3.0にて、ブロックのデフォルト値を指定することができるようになりました。 これによって、ブロックの内容が空のときはプレースホルダを表示するとったことが簡単にできます。 デフォルト値は第2引数で指定します。:

<div class="shopping-cart">
    <h3>Your Cart</h3>
    <?php echo $this->fetch('cart', 'Your cart is empty'); ?>
</div>

バージョン 2.3 で変更: $default 引数は 2.3 で追加されました。

スクリプトとCSSファイルのためにブロックを使う

バージョン 2.1 で追加.

ブロックは 非推奨のレイアウト変数 $scripts_for_layout を置き換えます。この変数の代わりにブロックを使うべきです。 HtmlHelper はビューブロックを結びつけます。script(), css(), meta() の各メソッドは inline = false オプションが渡されたとき、それぞれ同じ名前のブロックを更新します。:

<?php
// ビューファイルの中
$this->Html->script('carousel', array('inline' => false));
$this->Html->css('carousel', null, array('inline' => false));
?>

// レイアウトファイルの中
<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
    <head>
    <title><?php echo $this->fetch('title'); ?></title>
    <?php echo $this->fetch('script'); ?>
    <?php echo $this->fetch('css'); ?>
    </head>
    // レイアウトが以下に続く

HtmlHelper はスクリプトとCSSがどのブロックに対応するかを制御します。:

// ビューの中
$this->Html->script('carousel', array('block' => 'scriptBottom'));

// レイアウトの中
echo $this->fetch('scriptBottom');

レイアウト

レイアウトはビューをラップする表示用コードを含みます。すべてのビューから見えて欲しいものはレイアウトに配置されるべきです。

レイアウトファイルは /app/View/Layouts に配置されるべきです。新しいデフォルトレイアウトを /app/View/Layouts/default.ctp に作成することでCakePHPのデフォルトレイアウトは上書きされます。一旦新しいデフォルトレイアウトが作られると、 ページが描画されるときにコントローラによって描画されたビューコードが新しいデフォルトレイアウトの内部に配置されるようになります。

レイアウトを作るとき、ビューのためのコードが何処に配置されるかをCakePHPに伝える必要があります。 そのためには、作成したレイアウトに $this->fetch('content') が含まれていることを確認して下さい。 それでは、デフォルトレイアウトがどのようなものか実際に見てみましょう。:

<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
<head>
<title><?php echo $title_for_layout?></title>
<link rel="shortcut icon" href="favicon.ico" type="image/x-icon">
<!-- 外部ファイルとスクリプトファイルがここに読み込まれます (詳しくはHTMLヘルパーを参照して下さい) -->
<?php
echo $this->fetch('meta');
echo $this->fetch('css');
echo $this->fetch('script');
?>
</head>
<body>

<!-- もしすべてのビューでメニューを表示したい場合、
     ここで読み込んで下さい。-->
<div id="header">
    <div id="menu">...</div>
</div>

<!-- ビューで表示したいものはここに配置します。 -->
<?php echo $this->fetch('content'); ?>

<!-- 各ページで表示したいフッターはここに追加して下さい。 -->
<div id="footer">...</div>

</body>
</html>

ノート

2.1より前のバージョンでは、fetch() メソッドは利用できませんでした。 fetch('content')$content_for_layout を置き換え、 fetch('meta'), fetch('css'), fetch('script') の各行はバージョン2.0では、 $scripts_for_layout 変数に含まれています。

組み込みのHTMLヘルパーを使っているビューの場合、 script, css, meta ブロックには定義済みのいくつかのコンテンツが含まれます。 ビューからのjavascriptとCSSファイルが含まれるのは便利です。

ノート

HtmlHelper::css()HtmlHelper::script() をビューファイルで使うとき、 htmlソースを同じ名前でブロックの中に配置するために ‘inline’ オプションは ‘false’ にして下さい。 (詳しい使い方はAPIを参照して下さい。)

content ブロックは描画されたビューのコンテンツを含みます。

$title_for_layout はページタイトルを含んでいます。この変数は自動的に生成されますが、 コントローラ/ビューで設定すれば上書きすることができます。

レイアウトのタイトルを設定するためには、コントローラにて $title_for_layout 変数を設定するのが一番簡単です。:

class UsersController extends AppController {
    public function view_active() {
        $this->set('title_for_layout', 'View Active Users');
    }
}

また、ビューファイルの中からtitle_for_layout変数を設定することもできます。:

$this->set('title_for_layout', $titleContent);

好きなだけレイアウトを作ることが出来ます。レイアウトは、app/View/Layouts ディレクトリにファイルを作って、 コントローラアクションの中かビューの $layout プロパティを切り替えるだけで作成できます。:

// コントローラから
public function admin_view() {
    // stuff
    $this->layout = 'admin';
}

// ビューファイルから
$this->layout = 'loggedin';

例えば、私のサイトに小さな広告バナー枠があるとします。その場合、私は小さな広告枠が含まれる新しいレイアウトを作って、 以下のように全コントローラのアクションで指定するかもしれません。:

class UsersController extends AppController {
    public function view_active() {
        $this->set('title_for_layout', 'View Active Users');
        $this->layout = 'default_small_ad';
    }

    public function view_image() {
        $this->layout = 'image';
        //output user image
    }
}

CakePHPでは二つのコアレイアウト(CakePHPのデフォルトレイアウトの他に)、 ‘ajax’ と ‘flash’ を提供しています。 AjaxレイアウトはAjaxのレスポンスを組み立てるのに便利で、空のレイアウトになっています。 (ajax呼び出しは、インターフェイスを完全に描画するというよりもちょっとしたマークアップが必要なものがほとんどです。) flashレイアウトは Controller::flash() メソッドのメッセージ表示に使われます。

素早く簡単にtext/htmlではないコンテンツを提供するために、他に三つのコアレイアウト、xml, js, rssがあります。

プラグインからレイアウトを使う

バージョン 2.1 で追加.

もし既存のプラグインでレイアウトを使いたい場合、 プラグイン記法 を使うことが出来ます。 コンタクトプラグインからコンタクトのレイアウトを使う場合は以下のようになります。:

class UsersController extends AppController {
    public function view_active() {
        $this->layout = 'Contacts.contact';
    }
}

エレメント

多くのアプリケーションには様々なページで、時には異なるレイアウトのページで、 繰り返し必要とされる表示用コードの小さなブロックがあります。CakePHPは再利用が必要なウェブサイトのパーツを繰り返し使う手助けをします。 この再利用可能なパーツはエレメントと呼ばれます。広告、ヘルプボックス、ナビゲーションコントロール、 エクストラメニュー、ログインフォーム、吹き出しはCakePHPにおいてエレメントとして実装されます。 エレメントは基本的に他のビュー、レイアウト、エレメントに含めることができる小さなビューです。 エレメントはビューの中で繰り返し描画される箇所の可読性を改善するために使えます。 アプリケーション内のコンテンツの一部を再利用する手助けとなります。

エレメントは /app/View/Elements/ フォルダの中に.ctpの拡張子を持つ名前で配置されます。 次の例はビューのelementメソッドを使って出力しています。:

echo $this->element('helpbox');

エレメントに変数を渡す

elementメソッドの第二引数を通してエレメントにデータを渡すことができます。:

echo $this->element('helpbox', array(
    "helptext" => "Oh, this text is very helpful."
));

エレメントファイルの内部では、引数で渡されたすべての変数をパラメータ配列のメンバとして利用できます。 (ビューファイルにおけるコントローラの Controller::set() メソッドと同様の動作です。) 上記の例では /app/View/Elements/helpbox.ctp の中で $helptext 変数が使えます。:

// app/View/Elements/helpbox.ctp の内部
echo $helptext; //"Oh, this text is very helpful." と出力されます

View::element() メソッドは、エレメントのためのオプションをサポートしています。 サポートされるオプションは、’cache’ と ‘callbacks’ です。例えば:

echo $this->element('helpbox', array(
        "helptext" => "This is passed to the element as $helptext",
        "foobar" => "This is passed to the element as $foobar",
    ),
    array(
        "cache" => "long_view", // "long_view" のキャッシュ設定を使います
        "callbacks" => true // エレメントから before/afterRender が呼び出されるにはtrueに設定して下さい
    )
);

エレメントは Cache クラスを通じてキャッシュされます。設定済みのキャッシュのいづれかにエレメントが保存されるように設定できます。 その結果、何処にいつまでエレメントを保存しておくのかを非常に柔軟に制御することができます。 あるアプリケーションの中で同じエレメントの異なるバージョンをキャッシュするためには、次の書式を使ってユニークなキャッシュキーを提供して下さい。:

$this->element('helpbox', array(), array(
        "cache" => array('config' => 'short', 'key' => 'unique value')
    )
);

requestAction() を使うことでエレメントの利点を最大限引き出すことができます。 requestAction() 関数はビュー変数をコントローラアクアションから取ってきて配列として返します。 これによってエレメントを真のMVCスタイルに保つことが可能になります。エレメント用にビュー変数を準備したコントローラアクションを作成し、 それから コントローラからエレメントにビュー変数を与えるために、element() メソッドの第二引数のなかで requestAction() を呼び出して下さい。

これを実際確認するため、Postの例のコントローラに以下のようなコードを追加して下さい。:

class PostsController extends AppController {
    // ...
    public function index() {
        $posts = $this->paginate();
        if ($this->request->is('requested')) {
            return $posts;
        } else {
            $this->set('posts', $posts);
        }
    }
}

するとエレメントの中でページネイトされたpostsモデルにアクセすることができます。 整列されたリストから最新の5件を取得するためには、次のようにすればよいです。:

<h2>Latest Posts</h2>
<?php $posts = $this->requestAction('posts/index/sort:created/direction:asc/limit:5'); ?>
<ol>
<?php foreach ($posts as $post): ?>
      <li><?php echo $post['Post']['title']; ?></li>
<?php endforeach; ?>
</ol>

エレメントをキャッシュする

キャッシュパラメータを渡すだけでCakePHPのビューキャッシュの恩恵を得られます。trueを渡した場合、 ‘default’のキャッシュ設定に基づいてエレメントがキャッシュされます。falseの場合、 どのキャッシュ設定を使うかを設定することができます。Cache の設定についての詳細は /core-libraries/caching をみて下さい。エレメントキャッシュの単純な例は以下のようになります。:

echo $this->element('helpbox', array(), array('cache' => true));

あるビューの中で同じエレメントが二回以上描画される場合、毎回違う名前の’key’パラメータを設定することで確実にキャッシュすることができます。 これによって、element()を以前呼び出し時に生成されたキャッシュをそれに続くelement()の呼び出しの結果で上書きすることが避けられます。:

echo $this->element(
    'helpbox',
    array('var' => $var),
    array('cache' => array('key' => 'first_use', 'config' => 'view_long')
);

echo $this->element(
    'helpbox',
    array('var' => $differenVar),
    array('cache' => array('key' => 'second_use', 'config' => 'view_long')
);

上の例では、2つのelement()の結果が別々にキャッシュされていることが保証されています。 もしすべてのエレメントのキャッシュで同じ設定を使いたい場合、 View::$elementCache を設定することで繰り返しを避けられことがあります。CakePHPはelement()に何も設定されていない場合、 この設定を使います。

プラグインからエレメントへの要求

2.0

プラグインからエレメントを読み込むために、 plugin オプションを使って下さい。(バージョン1.xの data オプションから移動しました。):

echo $this->element('helpbox', array(), array('plugin' => 'Contacts'));

2.1

もしプラグインを使っていてプラグインからエレメントを使いたいと思うなら慣れ親しんだ プラグイン記法 を使うだけでよいです。 ビューがコントローラ/アクションプラグインの描画中のとき、他のプラグイン名が使われなければ、すべてのエレメントで使われているプラグイン名に自動的に接頭辞がつけられます。 もしエレメントがプラグインに存在しない場合、メインアプリフォルダの中が検索されます。:

echo $this->element('Contacts.helpbox');

もしビューがプラグインの一部であれば、プラグイン名を省略できます。例えば、Contactsプラグインの ContactsController の中にいる場合、:

echo $this->element('helpbox');
// and
echo $this->element('Contacts.helpbox');

これらは同じエレメントの描画結果が得られます。

バージョン 2.1 で変更: $options[plugin] オプションは非推奨となり、代わりに Plugin.element が追加されました。

独自Viewクラスの作成

データビューの新しいタイプを追加にするには、カスタムビュークラスを作成するか、アプリケーションにカスタムビューのレンダリングロジックを追加する必要があります。 CakePHPのビュークラスのほとんどのコンポーネントと同様に、いくつかの規則があります。:

  • ビュークラスは App/View に配置してください。例) App/View/PdfView.php
  • ビュークラス名には View をつけてください。 例) PdfView
  • ビュークラス名を参照するときは、 View サフィックスを省略する必要があります。 例) $this->viewClass = 'Pdf';

また、正しく動作するように、 View を継承しましょう。:

// in App/View/PdfView.php

App::uses('View', 'View');
class PdfView extends View {
    public function render($view = null, $layout = null) {
        // custom logic here.
    }
}

renderメソッドを置き換えると、コンテンツがレンダリングされる方法を完全に制御できます。

ビューAPI

class View

ビューメソッドはすべてのビュー、エレメント、レイアウトファイルからアクセス可能です。 $this->method() の形式で呼び出して下さい。

View::set(string $var, mixed $value)

ビューにはコントローラオブジェクトで見られる set() と類似の set() メソッドがあります。 ビューファイルからset()を使うと後で描画されるレイアウトとエレメントへ変数を追加できます。set() の使い方についてさらに詳しく知りたい場合は、コントローラのメソッド を見て下さい。

ビューファイルでは、次のように記述できます。:

$this->set('activeMenuButton', 'posts');

そしてレイアウトでは、 $activeMenuButton 変数が利用でき、’posts’という値になります。

View::getVar(string $var)

$varという名前のビュー変数を取得できます。

View::getVars()

現在の描画スコープの中で利用できるすべてのビュー変数の一覧を取得します。変数名の配列が返ります。

View::element(string $elementPath, array $data, array $options = array())

エレメントまたはビューの一部を描画します。さらに詳しく知りたい場合は、 エレメント を参照して下さい。

View::uuid(string $object, mixed $url)

オブジェクトのタイプやURLに基づいてユニークでランダムではないDOM IDを生成します。 このメソッドはしばしば、 JsHelper のようなエレメントのためにユニークなDOM IDの生成を必要としているヘルパーによって使われます。:

$uuid = $this->uuid('form', array('controller' => 'posts', 'action' => 'index'));
//$uuid contains 'form0425fe3bad'
View::addScript(string $name, string $content)

内部のスクリプトバッファにコンテンツを追加します。このバッファはレイアウトの中で $scripts_for_layout として利用されます。 このメソッドはjavascriptやcssを直接レイアウトに追加する必要のあるヘルパーを作る時に役立ちます。 レイアウトやレイアウトの中のエレメントから追加されたスクリプトは $scripts_for_layout には追加されないということを心に留めておいて下さい。 このメソッドはほとんどの場合、/core-libraries/helpers/jsHtmlHelper ヘルパーのようなヘルパーの中から使われます。

バージョン 2.1 で撤廃: 代わりに ビューブロックを使う の機能を使って下さい。

View::blocks()

定義されているすべてのブロックの名前を配列として取得します。

View::start($name)

ビューブロックのためにブロックの捕捉を開始します。ビューブロックを使う を参照して下さい。

バージョン 2.1 で追加.

View::end()

一番最後に開始されたブロックの捕捉を終了します。 ビューブロックを使う を参照して下さい。

バージョン 2.1 で追加.

View::append($name, $content)

$name のブロックに追加します。 ビューブロックを使う を参照して下さい。

バージョン 2.1 で追加.

View::prepend($name, $content)

$name のブロックの先頭に追加します。 ビューブロックを使う を参照して下さい。

バージョン 2.3 で追加.

View::startIfEmpty($name)

指定したブロックが空のときだけブロックを開始します。 ブロック内のすべてのコンテンツがキャプチャされ、もしブロックが既に定義されている場合は破棄されます。

バージョン 2.3 で追加.

View::assign($name, $content)

ブロックの値に代入します。既に存在していたコンテンツは上書きされます。 ビューブロックを使う を参照して下さい。

バージョン 2.1 で追加.

View::fetch($name)

ブロックの値を取ってきます。定義されていないブロックの場合、’‘が返ります。ビューブロックを使う を参照して下さい。

バージョン 2.1 で追加.

View::extend($name)

現在のビュー/エレメント/レイアウトを指定の名前で継承します。 ビューの継承 を参照して下さい。

バージョン 2.1 で追加.

property View::$layout

現在のビューがラップされるレイアウトを設定します。

property View::$elementCache

エレメントをキャッシュするために使われているキャッシュ設定です。このプロパティを設定するこでエレメントをキャッシュするために使われているデフォルト設定が変更されます。 このデフォルトはelementメソッドの’cache’オプションが使われると上書きされます。

property View::$request

CakeRequest のインスタンスです。現在のリクエストについての情報へアクセスするためにこのインスタンスを使います。

property View::$output

ビューファイルかレイアウトコンテンツのどちらかのビューから最後に描画されたコンテンツが含まれます。

バージョン 2.1 で撤廃: 代わりに $view->Blocks->get('content'); を使って下さい。

property View::$Blocks

ViewBlock のインスタンスです。ビューの描画中にビューブロック機能を提供するために使われています。

バージョン 2.1 で追加.