2.0 で Object::cakeError() は削除されました。代わりに、たくさんの exception が追加されました。 かつてはすべてのコアクラスが cakeError を呼んでいましたが、いまでは exception を投げています。 あなたはアプリケーションコードの中でエラーをハンドルすることも、それを処理するための例外ハンドラを構築することもできるのです。
CakePHP 2.0 ではエラーや例外をハンドルするための制御がかつてないほど数多く存在しています。 configure を使って、好きなメソッドをデフォルトのエラーハンドラや例外ハンドラとして設定しておくことができます。
エラーの設定はあなたのアプリケーションの app/Config/core.php の中で行われています。 あなたのアプリケーションが PHP エラー(例外については 例外(Exception) にて別で説明します)を発生させるたびに呼び出されるコールバックを定義することができます。 コールバックは PHP が呼ぶことができるものなら無名関数であってもかまいません。 エラーをハンドルするデフォルトの設定は以下のようになっています:
Configure::write('Error', array(
'handler' => 'ErrorHandler::handleError',
'level' => E_ALL & ~E_DEPRECATED,
'trace' => true
));
エラーのハンドラを設定する際に使えるオプションが5つあります:
デフォルトでは、エラーハンドラは debug > 0 の場合にエラーを表示し、debug = 0 の場合にログに出力します。 どちらの場合も捉えられるエラーのタイプは Error.level で制御します。 致命的なエラーのハンドラは、debug レベルや Error.level の設定に関係なく呼び出されますが、その結果は debug レベルに基づいて変わります。
ノート
独自のエラーハンドラを使う場合は、トレースの設定をしても(エラーをハンドルする関数内でそれを扱わない限り)何も起こりません。
バージョン 2.2 で追加: Error.consoleHandler オプションは 2.2 で追加されました。
バージョン 2.2 で変更: Error.handler と Error.consoleHandler は fatal なエラーコードも受け取ることになります。デフォルトの振る舞いは(debug が無効なら) internal server error のページを表示するか、もしくは、(debug が有効なら)エラーメッセージ、ファイル名、行番号を伴ったページを表示するというものです。
エラーハンドラはどのような種類のコールバックを使ってでも作ることができます。たとえば、AppError というクラスをエラーをハンドルするのに使うことができます。その場合は次のようにすることになるでしょう:
//app/Config/core.php の中で
Configure::write('Error.handler', 'AppError::handleError');
//app/Config/bootstrap.php の中で
App::uses('AppError', 'Lib');
//app/Lib/AppError.php の中で
class AppError {
public static function handleError($code, $description, $file = null, $line = null, $context = null) {
echo 'エラー発生!';
}
}
このクラス/メソッドはエラーが発生するたびに「エラー発生!」と表示します。 どのような種類のコールバックでも定義することができますので、PHP5.3 以降をお使いなのであれば無名関数を使用することもできます:
Configure::write('Error.handler', function($code, $description, $file = null, $line = null, $context = null) {
echo 'おっと、良くない事態発生';
});
重要なことなので思い出していただきたいのは、設定されたエラーハンドラにより捉えられるエラーは PHP エラーであり、カスタムエラーをハンドルする必要があるなら、 例外(Exception) の設定も扱いたくなるかもしれないということです。
CakePHP 2.2 以降、Error.handler は致命的(fatal)なエラーコードも受け取るようになりました。 もしも cake のエラーページを表示させたくないのなら、次のように処理を上書くことができます:
//app/Config/core.php の中で
Configure::write('Error.handler', 'AppError::handleError');
//app/Config/bootstrap.php の中で
App::uses('AppError', 'Lib');
//app/Lib/AppError.php の中で
class AppError {
public static function handleError($code, $description, $file = null, $line = null, $context = null) {
list(, $level) = ErrorHandler::mapErrorCode($code);
if ($level === LOG_ERROR) {
// 致命的エラーを無視する。PHP エラーのメッセージのみとする。
return false;
}
return ErrorHandler::handleError($code, $description, $file, $line, $context);
}
}
致命的エラーのデフォルトの振る舞いを維持したいなら、独自のハンドラから ErrorHandler::handleFatalError() を呼び出すことができます。